毎月の電気の検針票に「再生可能エネルギー発電促進賦課金」という項目があります。使った電力量に応じて全員が負担する仕組みで、単価は国が毎年決めて全国一律で適用されます。2026年度の単価は1kWh当たり4.18円です。この記事では、賦課金がなぜ徴収されるのか、2026年度の単価と負担額の目安、これまでの推移、そして太陽光発電や蓄電池で自家消費を増やすと負担がどう変わるのかを整理します。
再エネ賦課金とは何か
正式には「再生可能エネルギー発電促進賦課金」です。国の固定価格買取制度(FIT制度)やFIP制度のもとで、電力会社が再生可能エネルギーの電気を買い取るための費用を、電気を使う人全員で分担する仕組みです。電気料金の一部として、使用した電力量(kWh)に単価を掛けた額が請求されます。
契約している電力会社に関係なく同じ単価
単価は国が毎年度定め、全国一律で適用されます。大手電力会社でも新電力でも、同じ年度なら同じ単価です。したがって、電力会社を乗り換えても賦課金の単価そのものは変わりません。プラン変更で安くなるのは基本料金や電力量料金の部分であり、賦課金は使った電力量に比例して付いてくる性質のものです。
「買った電気の量」にかかる
ここが負担を考えるうえで一番大事な点です。賦課金は購入電力量に対してかかるため、自宅でつくった電気をそのまま使った分には賦課金がかかりません。逆にいえば、節電しても電力会社から買う量が変わらなければ負担は減りません。後半で触れる自家消費の話は、この性質から出てきます。
2026年度の単価と負担額の目安
2026年度の単価は1kWh当たり4.18円で、2026年5月検針分の電気料金から2027年4月検針分の電気料金までに適用されます。経済産業省は、1か月の電力使用量を400kWhと想定した標準的な家庭の負担額を月額1,672円、年額20,064円と示しています(経済産業省 報道発表「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します」・2026年10月1日時点で確認)。
この負担額はあくまで月400kWhという想定に対応する数値です。実際の負担は各家庭の使用量に比例するため、使用量が想定より多い家庭では負担も大きくなります。オール電化で暖房・給湯まで電気に寄せている住宅では、月400kWhを大きく超えることも珍しくありません。自分の家の水準を知りたいときは、検針票に記載された使用電力量と賦課金の欄を確認するのが確実です。
- 単価:1kWh当たり4.18円(2026年度・全国一律)
- 適用期間:2026年5月検針分から2027年4月検針分まで
- 標準的な家庭の負担額:月額1,672円・年額20,064円(1か月の電力使用量400kWh想定)
単価はこれまでどう動いてきたか
直前の年度と比べると、2025年5月分から2026年4月分に適用された単価は1kWh当たり3.98円(税込み)でした(東北電力 公式サイト「再生可能エネルギー発電促進賦課金単価の決定について」・2026年10月1日時点で確認)。2026年度の単価はこれより高い水準です。長い目で見れば、制度開始からしばらくは再生可能エネルギーの導入が進むにつれて単価が上がる局面が続いてきました。
今後の単価は、買取に必要な費用の総額や、電気の市場価格の動きなどを踏まえて毎年決まります。上がり続けるとも下がり続けるとも決まっているわけではないため、将来の単価を前提に設備投資の損得を計算するのは避けたほうが無難です。判断するときは、現時点で分かっている単価と、自分の家の使用量で考えるのが堅実です。
賦課金の負担が減るのはどういうときか
買う電気の量が減ったとき
賦課金は購入電力量に単価を掛けたものなので、電力会社から買う量が減ればその分だけ負担も減ります。太陽光パネルを設置して発電した電気を家の中で使えば、その時間帯に買う量が減り、電力量料金と賦課金の両方が減ることになります。これが「自家消費」と呼ばれる部分です。
売電を増やしても賦課金は減らない
誤解が多いのはここです。発電した電気を売れば売電収入は入りますが、賦課金は買った電気に対してかかるものなので、売電量が増えても賦課金そのものは減りません。売電による収入と、買う量を減らすことによる支出の削減は別の効果として整理しておく必要があります。売電単価が下がってきた近年は、後者の比重が相対的に大きくなっています。
発電しない時間に使う電気は対象のまま
夜間や雨天のように発電しない時間帯に使う電気は、これまでどおり電力会社から買うことになるため賦課金の対象です。ここを減らしたい場合に出てくるのが蓄電池で、昼につくった電気を夜に回せば、その分だけ購入量が減ります。ただし設備費用がかかるので、負担軽減だけを理由に導入を決める話ではありません。
自家消費を増やす前に確認しておきたいこと
賦課金の負担を減らす方向で設備を検討するなら、次の順番で情報を集めると判断しやすくなります。
- 検針票で、直近1年の使用電力量と賦課金の実額を確認する
- 電気を多く使う時間帯が昼か夜かを把握する(昼が多いほど自家消費で効きやすい)
- 屋根の向き・面積から、設置できる容量の見込みを確認する
- 国や自治体の補助制度の対象になるか、受付時期を確認する
- 複数社から同じ条件で見積もりを取り、総額と保証を並べて比べる
補助制度は都道府県や市区町村ごとに内容が異なり、年度ごとに受付期間や金額の枠が変わります。お住まいの地域の内容は都道府県別に整理しているので、たとえば香川県の太陽光パネル・蓄電池補助金まとめのように、該当する都道府県の記事で条件を確認してください。制度の探し方の全体像は補助金の調べ方ガイドにまとめています。また、買取期間が終わったあとの選択肢については卒FIT後の選び方の解説が参考になります。
まとめ
再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの買取費用を電気の使用量に応じて分担する仕組みで、2026年度の単価は1kWh当たり4.18円、適用は2026年5月検針分から2027年4月検針分までです。単価は全国一律なので、電力会社の乗り換えでは変わりません。負担が減るのは電力会社から買う量が減ったときだけで、売電量を増やしても賦課金は減りません。自分の検針票で実額を確かめたうえで、昼に電気を使う量、屋根の条件、補助制度の受付時期を順に確認していくのが現実的な進め方です。
よくある質問
再エネ賦課金を払わない選択はできますか?
電力会社から電気を買う限り、使用電力量に応じて負担する仕組みです。契約先を変えても単価は同じなので、免除される一般的な方法はありません。減らせるのは購入電力量そのもので、自家消費を増やすか使用量を抑えるかのどちらかになります。
単価は毎年いつ切り替わりますか?
2026年度の単価は2026年5月の検針分から適用され、2027年4月の検針分まで続きます。年度の切り替わりと検針のタイミングが一致しないため、4月と5月の請求で単価が変わって見えることがあります。
太陽光パネルを設置すると賦課金はゼロになりますか?
ゼロにはなりません。発電しない夜間や雨天には電力会社から電気を買うため、その分には賦課金がかかります。減るのは自家消費できた時間帯に対応する分です。どのくらい減るかは、発電量と、昼にどれだけ電気を使うかで変わります。
※制度内容は2026年10月時点の公表情報に基づきます。補助金は年度・受付状況により変わるため、検討時は必ず各自治体の公式サイトで最新情報をご確認ください。


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